相続税は基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超えると、超えた部分に課税されることになります。
現金や預金なら金額そのものが評価額になるのですが、株式などの有価証券や土地・建物といった不動産は評価方法が特殊であり評価額を把握することは容易ではありません。
また、相続税が改正されて2015年1月から基礎控除額が引き下げられて、以前は相続税がかからなかった人でも2015年1月からは相続税がかかる可能性が高くなりました。
相続税がかかる割合は全国民の4%程度ですが、2015年1月からは6%まで増えるといわれています。しかし、これは全国の平均値であり、東京や大阪などの都市圏では課税割合は40%とも50%ともいわれています。建物を一戸でも所有されている方は納税の可能性もでてくるのではないでしょうか?
相続税の改正 │ 基礎控除額の計算
■2014年12月31日までの相続
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
■2015年1月1日以降の相続
3,000万円+600万円×法定相続人の数
相続税がかかるのかどうかがわからないという方のために簡易相続税シミュレーションのサービスをご用意いたしました。
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相続税がかかるか否かのステップ
1.相続人を確定させる
相続手続きは相続人の確定作業からはじまります。相続人の人数によって基礎控除額も違ってくるので相続税がかかるか否かも変わってくるのです。
■相続人確定の基本的な考え方
被相続人の財産を受け継ぐ相続人が誰になるかは、民法で定められており「法定相続人」といいます。
配偶者は常に相続人になりますが、法律上、婚姻関係にない内縁の妻や夫は相続人にはなれません。
法定相続人には第一順位から第三順位まで設けられています。第一順位は、被相続人の子供・孫である直系卑属。第二順位は、両親や祖父母である直系尊属。第三順位は兄弟姉妹となっています。
順位が上の相続人がいる場合は、下位の人は相続人になれません。例えば、被相続人に子供(第一順位)がいる場合、親(第二順位)や兄弟姉妹(第三順位)は相続人にはなれません。
簡易相続税シミュレーションでは、相続人関係はヒアリングさせていただくのみになりますので詳細な相続人関係図までは作成いたしませんが、相続発生後の相続手続きとして相続登記を申請したり家庭裁判所へ遺産分割調停を申立てたりする場合は、詳細な相続人関係図を用意した方がよいでしょう。
2.相続財産目録を作成し、評価する
財産評価については、相続税法と民法では具体的に含まれる財産の範囲が変わります。
まず遺産分割をする場合には、民法にしたがった相続財産の範囲となります。
しかし、相続税の申告を検討する際には、相続税法に規定されている方法に基づき、相続財産を記載する必要があるのです。
そのため、相続税を計算する際には相続税法の区分に従い計算します。
■相続財産
民法で規定された相続または遺贈によって取得する財産を「本来の相続財産」といい、金銭で見積もることのできる経済価値のあるものは全て本来の相続財産となります。
■みなし相続財産
「本来の相続財産」(民法上の相続財産)には該当しませんが、実質的に相続財産と同じ効果のある財産については、「みなし相続財産」として相続税法上の課税財産に含めます。
○生命保険金
生命保険金は、被相続人が保険料を負担していた生命保険契約で、被相続人の死亡を保険事故として相続人が受け取った保険金です。
生命保険金のうち、被相続人が負担した保険料に相当する部分の生命保険金がみなし相続財産として相続税の課税対象となります。
○死亡退職金
被相続人の死亡によって相続人などが受け取った退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した「死亡退職金」はみなし財産となります。
この退職金は、被相続人が生きていれば会社から本人がもらえたものですから、被相続人の財産とみなして、相続税の課税対象となります。
■生前贈与財産
生前贈与財産とは、相続開始前(被相続人の死亡前)3年以内に被相続人から贈与を受けていた贈与財産のことをいいます。
生前贈与財産を被相続人から受けていた場合は、その贈与財産も相続財産に加えることになるのです。これを生前贈与加算といいます。
贈与を受けたときに支払った贈与税額は相続税額から引くことができるので、二重に税金を納めるようなことはありません。これを贈与税額控除といいます。また、贈与を受けた財産の贈与時の価額を、贈与を受けている相続人の相続税の課税価格に加算します
■非課税財産
本来の相続財産やみなし相続財産は、原則として相続税の課税対象となりますが、相続税法では課税対象外とする非課税財産を定めています。
○生命保険金
生命保険金は、遺族の生活保障のためであることに配慮して、相続人が受け取った死亡保険金のうち、一定額を非課税財産として控除します。
○死亡退職金
被相続人の死亡によって、相続人が受け取った死亡退職金は、生命保険金と同じく、遺族の生活保障のためであることに配慮して、死亡退職金のうち一定額を非課税財産として控除します。
■債務、葬式費用
相続税の課税価格の計算において、一定の債務と葬式費用を相続または遺贈により取得した財産から控除することを債務控除といいます。
財産評価は複雑で様々な資料を集めなければなりません。相続税申告の前提作業でもあるためここで間違ってしまえば後の相続税計算も間違ったものとなってしまいます。簡易相続税シミュレーションでは基本的にヒアリングによって得られた情報をもとに財産評価をいたしますので詳細な評価はできませんが、簡易相続税シミュレーションは相続税が発生するか否かの概算を把握するのに適したサービスとなっております。また、全財産でなく、不動産だけ、株式だけの評価も対応しております。
3.基礎控除額を計算する
遺産をもらったすべての人が相続税を必ず納めなくてはならないというわけではありません。
相続税を納めなければならないのは、遺産の総額が「基礎控除額」という一定の額を超えた場合です。
基礎控除額
■2014年12月31日までの相続
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
■2015年1月1日以降の相続
3,000万円+600万円×法定相続人の数
例えば、法定相続人が妻と子供2人の合計3人というケースの場合、基礎控除額は、以下のようになります。
■2014年12月31日までに相続が発生した場合
5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円
■2015年1月1日以降に相続が発生した場合
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
基礎控除額は法定相続人の人数によって変わってきますが、上記の法定相続人が3人のケースでは、相続の発生が2015年1月1日よりも前か後かで3,200万円もの差が生じています。2014年12月31日よりも以前では相続税が発生しなかったケースでも2015年1月1日からは相続税が発生するケースが増えると言われています。
当研究所には相続税を専門とする税理士がおりますので、できるだけはやく財産評価をして相続税が発生するか否かを把握されることをおすすめします。相続税が発生するような場合では早期に相続税(節税)対策にとりかかることが、効果の高い相続税(節税)対策につながるのです。
■基礎控除額を超えない場合
■基礎控除額を超える場合