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事業承継

担当専門家  行政書士、経営コンサルタント、事業承継コンサルタント

近年、中小企業の経営者の平均年齢は上昇していると言われています。それに伴って「事業承継対策をやらなければならない」と思いつつも後回しになってしまっている企業が増えているように思います。

事業承継にはいくつかの方法があり、どのような方法を選ぶのが良いかは企業によって異なります。しかし、どのような事業承継の方法を取ろうとも必ず事前にやっておかなければならないことがあります。

①  会社の現状を把握する

何事も現在の立ち位置、すなわち現状を把握しなければ後の方向性を適切に決定することはできません。それは事業承継対策においても同じです。事業承継対策は、会社の現在の資産や負債の状況、資金繰りや借入金の状況、従業員数や年齢層、業界内でのシェア率、株式の保有状況などを把握することからはじまります。

②  ステークホルダー(利害関係人)との意思疎通

事業承継においては、親族・後継者候補・幹部役員達との意思疎通は非常に重要です。どれだけその企業にマッチした事業承継戦略を練ろうとも、この意思疎通ができていないと、後継者に引き継いだ後にそのことが「揉める原因」となってしまいます。

また、会社内部のステークホルダーだけでなく、金融機関や主要な取引先などの会社外部のステークホルダーにも事業承継の意思を伝えることが必要な場合もあります。事業承継の意思を伝えることで必要な情報を提供してくれたり、協力してくれることも多いものです。

③  事業承継方法の選択

事業承継の方法には「誰が」承継するのかという観点から、いくつかのパターンに分類することができます。どの方法にもメリットとデメリットがありますので、様々なことを考慮にいれて検討しなければなりません。

この際に単にテクニックとして事業承継の方法を選択するのではなく、先代経営者の想いや後継者候補者の方の性格や資質などの適性も考慮に入れながら事業承継の方法を検討していかなければなりません。

以上のようなことを実行しつつ、まずは事業承継の時期を決めて、その時期に事業承継するには、「誰が、いつまでに、何をすべきか」を考えていくことで事業承継へのイメージが具体化されていくのです。そして、円滑な事業承継を行うには、やはり10年位の長期的なビジョンに基づいた年月が理想と言えるでしょう。


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事業承継の取り組み方

事業承継の取り組みは、従来認識されてきた「相続税や遺産相続問題としての取り組み」から、「経営課題として、いかに事業そのものを継続し、つないでいくかという課題への取り組み」に大きく変化しています。

自社の沿革、つまり「いつごろ、どのような環境の下で、この土地で、この事業を創めたのか?」。そして「どのような環境を踏まえて、工場を増設し、あるいは店舗を隣町に進出し、人の採用を増やし・・・というような取り組みをしてきたのか?」といった、マーケット環境を含めた視点で自社の歴史を振り返ることも大切です。

そして、何故その時期だったのか?何故その場所だったのか?等、一歩掘り下げて振り返ってみてください。この振り返りは、事業を始めた意義、魅力、価値を確認し、紡ぎ築いてきたその会社らしさを再認識することです。

さらに、会社・事業の強み・弱みを再認識し、創業から現在に至るまでの価値を生み出してきた事業ストーリーを整理し、強み・弱みと環境認識を踏まえて、現在から将来に向けての価値を生み出す事業ストーリーを描くことが大切です。

創業、あるいは先代から引き継いだ時から年月が経過する中で、マーケット環境は大きく変化しています。この変化を捉え、マーケットのニーズに沿った製品・サービスの提供ができなければ、自社の事業のDNAは活きてはきません。それ故、必要に応じて経営革新の取り組みも必要となるのです。

事業承継の方法

事業承継の方法は、「親族内承継」、「親族外承継(従業員等への承継)」、「M&A(Mergers and Acquisitions)」の3つに分類され、それぞれメリット・デメリットがあります。


【親族内承継】
親族内承継としては、誰を後継者にするかについて親族や従業員の理解を得ることや相続時に後継者へ経営資源を集約すること、そして、相続税の支払いや株式の取得のための資金の準備などが重要なポイントとなります。

<メリット>

  • 関係者から心情的に受け入れられやすい
  • 後継者を早期に決定することができ、長期の準備期間を確保しやすい
  • 後継者が早くから決まっているので、他の会社で修行させたり、自分の会社に入れていろいろな部署を経験させるなど経営ノウハウを習得させることができ、計画的に準備することができる
  • 所有と経営の分離を回避できる可能性が高い

<デメリット>

  • 親族内に適切な後継者がいるとは限らない
  • 相続人が複数いる場合、後継者の決定や経営権の集中が困難

【親族外承継】(従業員等への承継)
親族外承継(従業員等への承継)としては、親族や取引先、金融機関などの関係者に理解を得ること、株式などの経営資源を集約するための資金調達、現経営者の個人債務の保証の引き継ぎなどが考慮すべきポイントです。

<メリット>

  • 後継者を確保しやすい

<デメリット>

  • 関係者から受け入れられにくい場合がある
  • 後継者候補に株式取得等の資金力がない場合が多い
  • 個人債務保証の引き継ぎ等の問題

【M&A(Mergers and Acquisitions)】
M&Aについては、希望の条件を満たす買い手を見つけるのに苦労することもありますが、買い手にとって魅力的な企業となるように、自社の経営状況に磨きをかけることも重要です。

中小企業のM&A(第三者への事業承継)は、後継者不在に直面したオーナー経営者の事業承継問題を解決する有力な選択肢として、今日では活発に行われています。

M&Aにおける企業の譲渡理由としては、経営者が60代、70代で世代交代期を迎え、後継者難に直面していることが典型的な理由となっています。一方で、譲受側の企業としては、自社の経営状況の閉塞感を打破し、新たな成長戦略の手段としてM&Aを活用したいということが主な理由のようです。

<メリット>

  • 広く後継者を求めることができる
  • 現経営者が会社売却の利益を得られる

<デメリット>

  • 希望の条件を満たす買い手を見つけるのが困難
  • 従業員の雇用の確保や譲渡価格の面での折り合いなど、条件交渉がシビアになり、オーナー経営者がイニシアチブをとった承継が困難な場合がある


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会社支配権の承継

会社支配権というと、そのような名称の権利があるかに思われますが、法律的にみると、会社支配権の中身は、会社を支配できる議決権割合の株式(議決権の2分の1超又は議決権の3分の2以上の株式)です。

すなわち、会社を支配する、具体的には、取締役・監査役の選任を思いどおりにし、通常の会社の経営上の意思決定権を握るためには、議決権の2分の1超の株式を保有することが必要です。さらに、会社経営上重要な事項の決定権をも確保するということであれば、議決権の3分の2以上の株式を保有することが必要になります。

そして、会社支配権を構成する株式を後継者に移転する方法としては、大きく分けると、上記のように、親族内承継、親族外承継、M&Aがあり、より細かな分類としては、生前における贈与・売買、遺言、遺産分割、経営承継円滑化法による民法特例の利用、種類株式の利用、相続人に対する株式売渡請求制度の利用及びM&Aによる営業譲渡、合併、会社分割等があります。

事業承継対策は税金対策だけではありません

事業承継といえば、税理士の先生が真っ先に思い浮かぶ方が多いと思います。贈与税・相続税の節税対策がメインとなっている現実があるからでしょう。

しかし、非上場企業の場合、あまりにも節税に重点を置き過ぎると業績が下がり、事業承継の失敗となってしまうこともあります。あくまで、会社を後継者へ円滑に渡すことが主たる目的ですので、バランスの良い事業承継計画が必要になります。

中小企業に限らず株式会社の目的は利益を上げることですから、むしろ「株価を上げる」ことを目標とするべきであって、事業承継対策と言えども株価を下げることには違和感を感じざるを得ません。

確かに、現行の相続税制を考えれば、実際には売却して現金化することが難しい中小企業の株式にも極めて高い評価がなされ、それに対して現金で相続税を納税しなければならないのですから、あまりにも高くなってしまった株価を適正な範囲まで下げることは必要な対策と言えるでしょう。

しかし、ここ十数年以上続いている中小企業にとっての不況の状況は、もはや株価を下げるどころか、会社を維持することだけで精一杯になってしまう会社を増やす結果となってしまいました。実際に債務超過に陥ってしまって「株価ゼロ」どころか、財産価値だけでみればマイナスでしかないという会社も決して少なくないのです。

そんな状況の中で、世間の関心は「事業承継」ではなく「企業再生」に向かっています。企業再生は、まさにその会社が生きるか死ぬかの瀬戸際を乗り切ることですから、当然に経営者個人のリスクも増大することになります。

特に我が国の金融制度においては、金融機関が中小企業に融資をする際に、その会社の経営者が所有する不動産を担保として提供させられ、経営者個人も連帯保証人として実質的に会社の債務を個人として負わされるのが当たり前になっており、もし経営者が交替すれば新たな経営者が債務を負うということになります。

このような状況で、果たして現経営者は後継者に会社を安心して譲り渡し、後継者は安心して会社を譲り受けることができるでしょうか?事業承継においては税金対策ももちろん大切ですが、やはり「経営」の承継といった観点が重要になってくるのです

だからこそ、大阪相続研究所では、事業承継を相続の一部分とだけ捉えるのではなく、相続対策も含めた「経営」自体の承継や、「経営者」という人材を育成するという観点を大切に考えています。


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経営者の遺産相続

経営者の遺産相続と一般の方の遺産相続の違いは、事業承継との関係の有無にあると言えます。一般の方の相続財産(遺産)に株式があったとしても、それは遺産のなかの一財産にすぎませんが、経営者の相続財産(遺産)である株式は被相続人の経営していた会社等の存続に関わる大きな問題になります。相続による株式や事業用資産の分散は事業承継を困難にしてしまう要因にもなってしまいます。

事業規模・財務状況にもよりますが、経営者の相続財産の多くは株式や事業用資産であることが多いのではないでしょうか?

後継者に対し、これらの財産を承継させることは非常に重要ではありますが、後継者ではないその他の相続人のことも考慮しなければ、争いの原因になってしまいます。

このような場合に、後継者ではない相続人が遺留分減殺請求権を行使すると、株式が分散するリスクが出てきてしまいます。さらに、事業用資産の土地が共有になってしまうと、金融機関からの融資も受けにくくなってしまい、企業経営にとって効果的な資金調達が困難になってしまう可能性すらあるのです。

go-to  遺留分減殺請求

許認可事業と事業承継

許認可が必要な事業を行っている企業では、許認可を継続させることで、経営に空白の期間ができないようにしなければなりません。

相続や事業承継による許認可の承継が可能であるのか、合併・分割のような組織再編による許認可の承継が可能であるのか、事業承継する場合の要件の維持等、許認可の維持を意識した事業承継計画を立てなければなりません。

大阪相続研究所では、行政書士、司法書士、税理士、経営コンサルタント等の専門家がチームとなって事業承継をトータルにサポートいたします。中小企業経営や事業承継のような総合的な判断が求められるような分野だからこそ、各専門家がチームとなって総合的に支援しなければ適切な事業承継は難しいと考えています。

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