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健康保険・遺族年金の相続手続き

担当専門家  社会保険労務士、行政書士

健康保険の相続手続き

遺産相続手続きには様々な手続きがありますが、「高額医療費」や「葬祭費」などの請求は、任意の手続きとなっています。自らがすすんで手続きをしなければ何ももらうことはできないのです。社会保険事務所や役所等から遺産相続手続きについての通知が来ることもないので、忘れずに手続きをするようにしましょう。

健康保険は被保険者やその扶養家族が、病気や怪我の治療が必要になった場合に、治療にかかった費用の一部を保険者が負担する公的な医療保険制度です。

サラリーマンやOLのような会社員は「健康保険」、自営業者や主婦などは「国民健康保険」、公務員は「共済組合」、75歳以上の人と65歳から74歳の障がい者は「後期高齢者医療制度」、船員は「船員保険」という具合に、健康保険にはいくつかの種類がありますが、どの種類であっても亡くなった方は「被保険者」としての資格を喪失することになります。

それぞれの保険において、被保険者が死亡した場合には、保険証の返還など、脱退のための所定の手続きをしなければなりません。国民健康保険のケースでは、死亡した時から14日以内に届け出ることとされています。

上記の保険証以外にも、介護保険被保険者証など、被相続人が受けていた行政サービスに関連して支給されていたものも返還する必要があります。

また、健康保険証を返却すればそれで遺産相続手続きは終了ということではなく、亡くなった方に扶養されていた方は、他の家族の被扶養者になるか、国民健康保険に加入するという手続きをしなければならないのです。

高額医療費

超高齢化社会を迎えて、医療費の高騰が国家財政の問題になっていますが、遺産相続手続きの関係で言えば、人が死亡した場合、その人は死亡の直前までにかなりの医療サービスを受けていることもよくあるものです。

その人の出費した医療費が高額になった場合、その一部が還付される高額医療費の返還手続きがあります。高額医療費の返還手続きとは、1ヶ月間に自己負担した医療費(国民健康保険や社会保険による保険診療)が一定以上の金額(自己負担限度額)以上になった場合、請求をすることで自己負担限度額を超えた部分に該当する金額が返金される制度です。

自己負担限度額は、対象者の所得や年齢、状況(入院のみ・通院のみ・入院と通院)によって変わります。

手続先は被相続人が国民健康保険に加入していた場合は市区町村役場に、健康保険に加入していた場合は社会保険事務所になります。

そして、故人が生前に支払っていた医療費が、かなりの規模に上るときは故人の代わりに遺族が給付金を受け取ることができます。つまり、高額医療費の給付金は相続財産(遺産)の中に含まれるのです。

この場合は、給付手続きを行った人が給付金を独占できるわけではなく、他の相続財産(遺産)と同じように相続人全員で遺産分割協議等を行って分割することになります。

以上のように、高額医療費の還付金は相続財産(遺産)に含まれるのですが、税法上も相続財産(遺産)として取り扱われます。相続税がかかるほどの資産規模の遺産相続手続きでは、他の相続財産(遺産)と一緒に高額医療費の還付金についても相続税計算の基礎としなければなりません。

高額医療費の還付金がいくらくらいになるかは、ケースバイケースでまったく違います。故人が生前に難病に冒されていたような場合では、費やされた医療費も膨大な金額になるのではないでしょうか?その場合は還付金もかなりの金額に膨らむ可能性がありますが、その場合には何らかの節税対策を検討したほうがいいケースもあるでしょう。


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葬祭費(埋葬料)

国民健康保険や社会保険の被保険者が死亡すると、葬祭や埋葬にかかる費用の一部について支給を受けることが出来ます。この支給を受けるためには手続きを行う必要があり、高額医療費の場合と同様に何もしなければ支給されません。

この葬祭費は相続人の方が受け取るものですので、相続財産(遺産)には含まれないと考えられています。しかし、相続税を計算する際は、相続人および包括受遺者が負担した葬式費用を相続債務とし遺産総額から差し引くことになります(但し、香典返しの費用、初七日や四十九日といった法事の費用は遺産総額から差し引く葬式費用には該当しません)。

葬祭費(埋葬料)の請求先や必要な書類、支給される金額は、被相続人の加入していた保険によって異なります。

国民健康保険 健康保険(社会保険) 労災保険(※①②③)
支給されるもの 葬祭費 埋葬料(埋葬費) 葬祭料(葬祭給付)
申請者 葬儀を行った人
申請先 被相続人の住所地の市区町村役場 被相続人の勤務先を管轄する社会保険事務所または勤務先の健康保険組合(勤務先で手続きしてくれることもあります) 被相続人が勤務していた事業所を管轄する労働基準監督署
期限 死亡した日から2年以内 葬儀をした翌日から
2年以内
支給される金額 1万円~7万円ほど(支給額は自治体により異なる) 5万円 315,000円+給付基礎額の30日分。ただし、給付基礎日額の60日分の最低保証あり

※①社会保険に加入している人でも労災(業務上又は通勤中の事故で死亡)で死亡した場合は社会保険の「埋葬料(埋葬費)」ではなく、労災保険から支給される「葬祭料(葬祭給付)」になります。

※②葬祭料は、業務災害により死亡した労働者の葬祭を行う者に対して、その請求に基づき支給されます。したがって、通常は葬祭を行う遺族に対して葬祭料が支給されますが、遺族がいない場合で会社や友人が葬祭を行った場合、葬祭を行った会社や友人に葬祭料が支給されます(なお、通勤災害の場合は葬祭給付と言います)。

※③労災保険には「葬祭料(葬祭給付)」だけでなく、被相続人の収入によって生計を維持していた人に対して支払われる「遺族補償年金」や「遺族補償一時金」があります。

国民健康保険や健康保険(社会保険)に加入していた方が亡くなった場合、葬祭費や埋葬料が支給されます。埋葬料も葬祭費も、請求をしない限り支給されることはありませんので、忘れずに手続きをするようにしましょう


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遺族年金(遺族基礎年金、遺族厚生年金など)の相続手続き

人が死亡すると、国民年金や厚生年金など公的年金の手続きも必要になります。被相続人だけでなく、相続人の状況によっても受給できる年金の種類が変わってきます。

年金の種類 支給を受けられる人
国民年金 遺族基礎年金 被相続人によって生計を維持されていた「子どものいる妻」または「子ども」(※①②③)
寡婦年金 被加入者と生計を共にしていた10年以上婚姻期間のある60歳以上65歳未満の「妻」
死亡一時金 遺族基礎年金を受けられない妻、夫、子、父母など
厚生年金(※) 遺族基礎年金 被相続人によって生計を維持されていた「子どものいる妻」または「子ども」(※①②③)
遺族厚生年金 死亡者の「妻」「子、孫」「55歳以上の夫、父母、祖父母(60歳から支給)(※④)

※厚生年金加入者の場合は「遺族基礎年金+遺族厚生年金」の2階建てとなります。

※①「子ども」は18歳になってから最初の3月31日を迎えていない子、または1級・2級の障害がある20歳未満の子。②結婚している子は対象とならない。③死亡時に胎児だった子も、出生すれば対象となる。④遺族厚生年金を受けられる遺族は範囲が決まっており、さらに順番があります。

遺族年金とは、厚生年金や共済組合等の加入者が死亡し、かつ個々の支給要件を満たす場合に、その遺族に対して給付される金銭のことをいいます。

加入者(被相続人)の死亡によって、具体的な財産請求権が発生するという点に注目すれば、遺族年金請求権を相続財産(遺産)に含めることも一見可能であるように思われます。

しかし、遺族年金はその受給権者や支給規定が法律で個別に定められており、また遺族の生活保障という趣旨で給付される金銭であるため、受給権者固有の権利であると考えられています。また、遺族年金は、遺族の生活保障という趣旨で給付され、その金額も少額にとどまることから、特別受益として考慮されることはないと考えられています。

なお、遺族基礎年金、寡婦年金、遺族厚生年金は被相続人が死亡してから5年、死亡一時金は被相続人が死亡してから2年で受給する権利を失います。

チェックマーク  遺族基礎年金の支給要件

①被保険者が亡くなったとき
②被保険者であった人で日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人が亡くなったとき
③老齢基礎年金の受給権者が亡くなったとき
④老齢基礎年金の受給資格期間を満たした人が亡くなったとき

ただし、①②の場合は保険料納付済期間(免除期間含む)が国民年金加入期間の2/3以上あること

チェックマーク  遺族厚生年金の支給要件

①厚生年金保険の被保険者が亡くなったとき
②被保険者資格を喪失した後、被保険者期間中に初診日のある病気やケガが原因で初診日より5年以内に亡くなったとき
③障害厚生年金1級・2級の受給権者が亡くなったとき
④老齢厚生年金の受給権者または受給資格を満たしているものが亡くなったとき

ただし、①②の場合は保険料納付済期間(免除期間含む)が国民年金加入期間の2/3以上あること

被相続人の高額医療費の請求、葬祭料・埋葬料の請求、遺族年金等の遺産相続手続きは自らすすんで手続きをしなければ給付を受けられないものもあり、何も手続きをしなければ本来受け取れたはずの給付金を受け取れなくなってしまったということになりかねません。大阪相続研究所では、遺産相続手続きに詳しい社会保険労務士や行政書士がこれらの遺産手続きを担当させていただきます。

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